人間が育つとは、と問いかけていくと、哲学的、心理学的、宗教学的見知から等色々考えられますが、あまり学問的に成っても現実から離れしてしまうので、今回は、昔から誰もが耳にしてきた言葉、今も口にしている言葉、そんな、日常的、在り来たりな中から、人が人間として育つとはどうゆう事なのか、少し考えて見てみたいと思います、よく親の背中を見て育つと申しますが。親の背中とは、親である皆様にとってどうあるべきと、お感じになるでしょうか。親の背中は、代々引き継がれていくものですが、善くても悪くてもそのまま引き継がせる事と成るのです。昨今、学校教育が悪い、社会、政治が悪いと、皆無責任な事ばかり云っておりますが、子供にとって一番影響を受けるのは、両親の人間性です、心の広さ、深さ、優しさ、人や物に対する思いやり、しかし、最近の親達は背中を見せる事をしないのです。怒り、不信、憎悪、悪言、イライラした神経質な顔を、真正面から見せてしまい、子供達が親をみるどころか、嫌う様になてしまいます、これも親の背中と云えば背中でしょうが、本来は、黙々と働く父親、家事に走り回る母親の後ろ姿を何となく静かに見ていられる、子供の精神状態が余程安定していないと、親の背中は見てもらえないと云う事です。

 先ずは親の背中である事を、一人一人が自覚する事から始めなければと思います。学校教育が悪いと云う親の背中を見て育った子、社会、政治、その他、が間違ってると云う親の背中を見て育った子、親を嫌い、親を憎み、老いた親の面倒は見ない、そんな親の背中を見て育った子供は、一体どんな子供に育ち、どんな親に成り、又どんな背中を見せてくれるのでしょう。人間が育つとは、あまり難しく考える前に、教育に振り回される前に、見栄や体裁を気にする前に自分達の背中をよく見直して見ては如何でしょう。親の背中にも色々有りますが、親の背中で一番大切なものは、何なのでしょう。先ずは、両親が仲の良い姿であることでしょう。両親が仲の良い姿、暖かく尊敬しあっている姿、それだけで、優しく思いやりの有る子供は育ちます。

 しかし、此の人間社会の中で最も難しい事は、夫婦が心の底から、この世に今生きている誰よりも大切に思えるほど相手をお互いに思いやっているかどうかと云う事です。お互いに、その様にしたいし、又されたいのですが、その様なご夫婦は、皆無に等しい事が、多くの方々と、お話させて頂いてよく感じることです。仲の良い夫婦と成るためには、正しい生活、考え、言動をお互いが重んじる事が大切でしょう。その基礎となるのは、感謝の心です、この心が無ければ夫婦仲良くは出来ないものです。夫婦の間の諦め、競争、我侭、嫉妬、憎悪、悪口を感謝の心で受け入れられるかどうかです。子孫の事を考えれば、貴方の代から善い親の背中を見せる事で次の代から素晴らしい子孫が善い背中を見せ続ける事が出来るのです。

 秋の彼岸、

 先祖に深々と頭を垂れ墓前に手を合わせ読経する、

 人間の尊厳と優しさを親から子に 

 この事も親の背中からしか伝えられない、大切な一齣ではないでしょうか。

合掌