最近若い方がお経を耳にする機会が少なくなっています。

 仕事や勉強、カルチャー教室と走り廻っておられます。生活も本当に大変です。住宅ローンだの学費だのと必要なお金は限りなく増えるばかりです。

 知りたい事は何でもインターネットで。

 その様な中で最近、仏縁の素晴らしさに出会わせて頂く機会がありました。

 大学生が友達を連れて寺にお経の話を聞きに来られました。お経の素晴らしさに感動したお友達は、是非お経を毎日読んでみたいと言われましたので、お経本をお渡し致しました。

 その時にお友達は、父親や母親は全くお経は読んでいないが、愛知県にいる祖父母は毎日欠かさず読んでいると言われました。祖父母様はご自身では読んでおられましたが、祖父母様の子供にあたる、その子の親にも大学生の孫にも一度もお経を読む事を勧めなかったとの事です。

 帰り際、祖父母様がどの様な尊いお経を毎日読んでおられるのか、聞かせて頂いて来て下さい。そして京都のお寺でこの様なお経を頂いて来たよと、ご報告して下さいと付け加えておきました。

 数日後、その友達が報告に来てくれました、祖父母様が毎日読んでおられたお経は、私がその大学生に手渡したものと同じお経本だったのです。そしてその孫に対し祖父母様は「だから貴方は何時もうまくいくのですね、この様な素晴らしい仏縁を頂ける子だから」と涙を流して喜んで下さったとのことです。その大学生もあまりの不思議さに驚嘆と感動で私に報告して下さいました。

 この方も、四月から新社会人として優良企業で東京本店勤務に決まりました。東京で毎日ご先祖に経文を届けたいのですがどの様にすれば良いでしょうとの質問に、ご先祖の過去帳をお作りになってそれに向かって毎日経文をお読みになると貴方の経文が必ずご先祖様に届く事を伝えました。すると早速その方は祖父母様に連絡され、ご先祖の多くの戒名を毛書で送ってこられました。早速作らせて頂いている所です。

 今回、お孫様が全く知らない土地で、全く知らない人から、先祖様が乞い願うお経に出会わせて頂いた事で、この祖父母様は、この世で最も必要で尊く幸せをもたらすものは仏縁である事を実感されたようです。

 お経には不思議な力が無限に込められています。しかしその力を体験出来る方は誠に少ないものです。

 それは、皆様もご存知の昔話、「花咲か爺さん」のお話で諭されている様に、私たちは知らぬ間に「意地悪爺さん、意地悪婆さん」になってしまい、仏縁など頂く事が出来ない心となってしまったのでしょう。

 春の彼岸 毎日ご先祖様に手を合わせ、頭を垂れ、尊いお経を読み、六根を浄め、お経の力を一つ一つ頂き「花咲か爺様」の心を少しずつ持たせて頂き、ご自身の心に子孫の心に春の花をいっぱい咲かせる事が出来るよう、精進努力していきたいものです。

合掌